新着情報

ブログ

なぜ虫歯になるの?原因や予防方法を歯科医師が解説

毎日しっかりと歯磨きをしていても、虫歯になってしまうのはなぜなのか?その一方で、歯磨きをほとんどしていないのに、虫歯にならない人もいますよね。そこだけに着目するとなんだか不公平な印象を持ってしまいますが、実は虫歯というのは意外に複雑な病気で、単に歯磨きをしている・していないだけで発症リスクを評価することができないのです。
今回はそんな虫歯の発症メカニズムや原因、効率的に予防する方法などをわかりやすく解説します。

なぜ虫歯になってしまうのか?

虫歯の発症メカニズムを理解するためには、まずこの病気の根本的な原因を知る必要があります。

細菌が作った酸で歯が溶かされる=虫歯

虫歯の主な症状は、歯に「穴があく」ことですよね。これはミュータンス菌に代表される虫歯菌が酸を作ってエナメル質・象牙質を溶かすからです。その範囲が広がれば、歯の神経まで侵されて、ジンジンとした歯痛が生じるようになります。さらに進行すれば、歯がボロボロになって抜歯を余儀なくされ、ブリッジや入れ歯で補わなければならなくなるのです。
このように、虫歯になる原因や進行度に応じていろいろな症状が現れてくる点は、とてもイメージしやすいですよね。虫歯菌の酸で歯質が溶かされ、最終的には歯がボロボロになる。これが虫歯という病気の全体像ですが、「虫歯になりやすい人」と「虫歯になりにくい人」がいることの説明にはなっていません。とくに皆さんは虫歯になりにくい人の特徴を詳しく知りたいのではないでしょうか?

虫歯になりにくい人の体質や生活習慣とは?

虫歯になりにくい人には、以下に挙げる6つの特徴があります。

歯が強い(=成熟している)

私たちの歯は外側がエナメル質で覆われており、見た目も硬さも同じように見えますが、成熟度に大きな違いがあります。虫歯になりにくい人の歯は、リンやカルシウムをしっかりと摂り込むことで石灰化が進んでおり、酸への抵抗力が高くなっているのです。子どもの歯(乳歯)や生えたばかりの永久歯は、石灰化が進んでおらず、未成熟であることから虫歯になりやすいです。そうした歯の強さ、成熟度は、永久歯が生えそろった後の生活習慣などでも大きく変化していきます

虫歯菌の数がもともと少ない

虫歯のなりやすさは、1歳半から2歳半の間にある程度決まってしまうと言われています。その1年は「感染の窓が開く時期」とも呼ばれ、虫歯菌への感染リスクが大きく上昇しますが、虫歯予防を徹底することで感染を免れることができ、それ以降も虫歯になりにくい口腔環境が手に入るのです。つまり、歯磨きをほとんどしなくても虫歯にならない人は、そもそもお口の中の虫歯菌の数が極端に少ない可能性が非常に高いといえます。

唾液が正常に機能している

唾液には、抗菌作用・殺菌作用・自浄作用・再石灰化作用・緩衝作用(=酸を中和する作用)など、虫歯予防に寄与する効果がたくさんあります。そんな唾液が正常な量、分泌されている人は虫歯になりにくいです。ただし、唾液の分泌量が正常でも、口呼吸をしていたり、ドライマウスを患っていたりするとその効果が減弱し、虫歯になりやすくなります。

糖質の摂取量が少ない

虫歯菌は、砂糖(スクロース)を始めとした糖質をエネルギー源として繁殖し、歯を溶かしていきます。逆に言うと、糖質がなければ活動することができず、虫歯菌の数もどんどん減っていきます。ですから、普段から糖質の摂取量を制限している人は、虫歯リスクも自ずと低下していくのです。

口腔ケアをしっかり行っている

正しい方法で歯磨きをし、定期的な歯科検診やメインテナンスを受けている人は、虫歯になりにくいです。お口の中に歯垢や歯石がたまらず、虫歯の活動も抑えられます。

歯並びが良い

歯並びが良い人は、ブラッシングしやすいですよね。同じ頻度・時間・タイミングで歯磨きをしていても、歯並びが悪い人より磨き残しが少なくなります。その結果、虫歯リスクも低下します。

虫歯予防で大切なこととは?

ここまで、虫歯の原因と虫歯になりにくい人の特徴について解説してきましたが、虫歯の予防方法についても知りたいですよね。虫歯を効率よく予防するのであれば、「歯質」「細菌」「糖質」という3点に着目した上で、日々の食事や口腔ケアを改めていきましょう。

歯質

歯質を強くするためには、以下の方法が有効です。

  • フッ素入りの歯磨き粉を使う
  • 歯科医院でフッ素塗布を受ける

細菌

細菌の数を減らして、虫歯リスクを抑えましょう。

  • 正しいブラッシング法を身につける(定期検診のブラッシング指導)
  • 歯と歯の間の汚れはフロスや歯間ブラシで取り除く
  • 3か月に1回はクリーニング、スケーリング(歯石除去)を受ける
  • 悪い歯並びは歯列矯正で改善する

糖質

虫歯菌のエサとなる糖質の摂取量や摂取方法に配慮しましょう。

  • 糖質の摂取量を少なくする
  • 虫歯菌のエサにならない代用糖が使われたお菓子、スイーツを選ぶ

まとめ

今回は、虫歯になる原因・メカニズムと虫歯になりにくい人の特徴や予防方法などを解説しました。虫歯は皆さんが思っている以上に複雑な病気なので、しっかりと予防するためには、戦略的に動かなければなりません。当院までご相談いただければ、二人三脚でサポートいたします。当院は予防に力を入れている歯医者さんです。

お気軽にお問合せ下さい。TEL:072-830-6480

診療時間 9:00~13:00/15:00~20:00
※土曜午後14:00~18:00
休診日 水曜・祝日・日曜午後