新着情報

ブログ

歯茎が下がる原因は1つじゃない?リスクを最小限に抑えるポイントは?

「歯茎が下がってしみるようになった」「歯が昔よりも伸びた感じがする」と気になっている方は、いらっしゃいませんか?
歯茎は歯を支える大切な組織ですが、お口の状況や間違ったお手入れを続けることで下がる場合があります。原因やリスクを最小限に抑えるポイントを把握して、改善・予防に役立てましょう。

歯茎が下がる主な原因

歯茎が下がる原因としてよく「歯周病」が挙げられますが、実はそのほかにもいくつか注意すべきことがあります。気づかないうちに歯茎を下げてしまっている方も少なくないので、当てはまるものがないか一度チェックしてみましょう。

歯周病

歯周病は、歯の周りにある組織が細菌に感染する病気です。歯茎にのみ影響がみられる状態は、軽度を表す「歯肉炎(しにくえん)」、歯茎だけでなく歯根膜や歯槽骨にまで影響が広がっている状態は、中等度から重度を表す「歯周炎(ししゅうえん)」といいます。歯周病はその総称です。
歯肉炎で腫れが強い場合、改善して歯茎が引き締まることで下がったように感じる方がいますが、その状態が正常ですので過度な心配はいりません。歯周炎で歯槽骨が溶かされると、その上に被っている歯茎の位置も変わります。進行すればそれだけ歯茎が下がってしまいますが、一度溶かされた歯茎は自然に元に戻すことはできないので、歯周炎になる前の歯肉炎の時点で対処することがとても大切です。

抜歯

噛む力は、歯やその周りの組織に影響をもたらします。食いしばりや歯ぎしりなどで強い圧がかかり続けることはもちろん改善が必要ですが、反対に全く刺激がなかったり弱すぎる状態が続いたりすることも良いとはいえません。咀嚼は食べ物の消化を助けるだけでなく、歯や歯根膜、歯槽骨を丈夫に保つ働きももっています。噛む刺激が失われた部位の歯槽骨は吸収されて減ってしまうため、その上に被っている歯茎の位置も下がります。

加齢

年齢による歯茎の弾力性の低下や歯槽骨の吸収が原因で、歯茎の位置は下がります。加齢以外でも当てはまる原因が多ければ、それだけ歯茎が下がるスピードは早くなるので注意しましょう。

過度な磨き圧

磨く力が強すぎると歯や歯茎が摩耗し、知覚過敏や歯茎が下がるといったトラブルにつながります。急いで歯磨きをする方や、1日3回以上磨くという方はとくに注意が必要です。

喫煙習慣

たばこに含まれる成分は歯茎の血行を悪くし、歯周病を進行させます。また喫煙による口臭や着色を気にして、1日3回以上歯を磨くという方も少なくありません。喫煙習慣は歯茎が下がるリスクが高いといえるでしょう。

歯並びの崩れ・矯正治療

歯並びが崩れていると、磨き残しが発生しやすくなります。また、全体でバランスよく噛めないことで一部の歯槽骨の吸収が早まり、その結果歯茎の位置に差がうまれます。問題がある状態が長く続けばそれだけ歯茎への影響も大きいので、早めの改善を心がけましょう。
また歯並びを治す治療である矯正治療にも、副作用の一つとして歯茎の退縮が挙げられます。

歯茎が下がるのを防ぐには

歯茎が下がると「知覚過敏」や「歯根の虫歯のリスクが上がる」といったデメリットがでてきます。一度下がってしまった歯茎は、基本的に戻すことはできません。以下のポイントに注意して、歯茎が下がるリスクを最小限に抑えましょう。

正しいお手入れ方法を身につける

虫歯や歯周病といったお口トラブルの根本的な原因の多くは、「磨き残し」です。毎日のお手入れを丁寧に行うことが大切ですが、間違った方法で続けてしまうと別のトラブルに発展する可能性があるため注意しなくてはいけません。
磨き圧を最小限にするために、歯ブラシは鉛筆持ちで握りましょう。また、どんなに長く磨いても毛先が汚れに当たっていなければきれいにできません。時間よりも「毛先が当たる位置」を意識して磨くことが大切です。

機能回復治療や矯正治療はお早めに

虫歯や歯周病、怪我などで歯を失った場合は、噛む機能を回復させるための入れ歯やブリッジ、インプラントといった治療を早めに行いましょう。歯並びを整える矯正治療も、副作用を考慮して歯槽骨の吸収がまだおこっていない、早めのタイミングで始めることをおすすめします。

禁煙する

喫煙はお口だけでなく全身の健康にも悪い影響を及ぼす行為です。喫煙習慣がある方は、この機会にぜひ禁煙にチャレンジしてみてください。

歯科医院でできること

歯科医院では以下の方法で歯茎が下がるリスクを抑えることが可能です。

歯周病の早期発見

歯周病と虫歯は原因菌が異なり、虫歯がないからといって歯周病の心配もないとは限りません。進行しても強い痛みや症状が出にくいのは歯周病の怖いところです。定期的に歯周検査を受けて早期発見や早期治療、予防に役立てましょう。

矯正治療

一度崩れた歯並びやかみ合わせは自然に戻ることはなく、整えるには矯正治療が必要です。歯ブラシの毛先が歯面に当たりやすくなるので虫歯や歯周病予防に効果的なほか、全体でバランスよく噛めることでお顔や全身の歪み改善にも役立ちます。

クリーニング

虫歯や歯周病の根本的な原因である歯垢や歯石を除去する処置です。歯垢は3日間同じ部位に放置されると、徐々に硬くなり歯石へと変化します。歯石になると歯ブラシの毛先の力では除去できなくなり、専用の器具や機械を使って対処しなくてはいけません。

歯磨き指導

毎日行う歯磨きですが、気づかないうちに「磨き癖」がついている方が多い傾向にあります。歯磨き指導では患者様一人ひとりに合った磨き方や歯ブラシのタイプ、フロスや歯間ブラシといった補助用具の使い方まで分かりやすくお伝えしております。

まとめ

歯茎が下がる原因は複数存在し、人によって対処法は異なります。自己判断は対処が遅れる原因になる可能性がありますので、気になる方は一度歯科医院へご相談ください。健康な歯茎を維持して、余計なトラブルを回避しましょう。